人の痛みを知る者
人の痛みを理解できる者
それは何よりあなた自身が傷を負った経験があるからだろう。
「何故私がこんな目に合わなければ……、生きている意味なんてない。」
そう思い過ごした夜も幾度となくあった。
辛かっただろう。
苦しかっただろう。
けれどあなたは逃げなかった。
「あの時の私は何もできなかった。
人生を生きることも、未来への希望もなく諦めでしかなかった。」
いいや、それでもあなたは耐えたのだ。
暗く、絶望の日々だとしてもけして諦めてはいなかった。
今のあなたがその証明だ。
そしてあなたはあなたの負った傷を他者への優しさに変える力を持っている。
あなたは傷付いた者の心に寄り添える器を備えている。
あとにつづくものたちの導き手とならんとする勇敢な魂の持ち主よ。
これまでの傷は傷ではなく輝きだ。
経験は研ぎ石だった。
すべては今のあなたへの布石となっていた。
何よりその経験がなければ今のあなたは存在しない。
果敢な者よ。
その経験はあなただけのものではない。
それはあなただけの経験では終わらないのだと知ることだ。
誰かの役に立つ時がくる。
いや、すでに立っている。
あなた自身が誰かの光となっている。
あなた自身が周りの人間を照らしているのだ。
過去誰よりも希望を求めていた。
何よりあなた自身が光を求めていた。
今度はあなたが光になる番だ。
今まさに苦しみの中にある者へ
あなた自身の負った傷が強さになる時がくる。
無論傷を癒すには時間を必要とするかもしれない。
けれどあなたの行く先には灯火があり導きがあると信じていてほしい。
私たちはどんな時もあなたを見捨てたりはしない。
いつでも、どんな時も。
けれど乗り越えるのはあなた自身だ。
ときに見放されたような気持ちになるときもあるかもしれない。
だが、信じていてほしい。
“あなたなら乗り越えられる。”と。
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