すべてが塵となって跡形もなく消え去るほど時は経っても
私はあなたのことを憶えている。
点と点は交わらない。
けれどその点と点を結ぶ糸は紡ぐことができる。
そうして一度結ばれた糸は断ち切られることはない。
私とあなたは見えない糸に手繰り寄せられ再び、巡り合う。
ただ一度の交差だったとしても。
その一度の交差が後世に繋がるものと信じて。
そこに私がいても、いなくても。
あなたはそんなことは何ひとつ関係のないことだとでもいうように。
あなたという魂は幾重にもわたり無数の物語を紡ぎだす。
私にも…あなたとは別の私の物語があった。
私には私の。
それは今もかけがえのないものとして私の空間に留めてある。
〜螺旋〜